新年あけましておめでとうございます。
福井の新春は天候に恵まれ、のどかな三が日となりました。皆様の初春はいかがでしたでしょうか。初詣に出かけられた方もおられたことと思います。
私も「お神明さん」に親子で厄払いに行きました。数十名づつ神社本殿の中に入り、神主の祝詞・お祓いを受けるのですが、神主さんも大変で、一家族ずつ、家族の願い事を神殿に向かって報告するわけです。このような感じです。「あわら市〇〇に住まいする〇〇62歳、〇〇60歳、〇〇30歳。願い事は家内安全、交通安全、良縁成就、商売繁盛、健康長寿お聞き届けいただけますようお願い申しあげまする。」
こんな感じで神主さんは全家族の名前と願い事を神様にお伝えするわけです。概ね家族の願い事は2つ程度で、控えめです。家人の願い事の数は、その性格にも似て欲深く五つも四つも。
私のお願いは、宝くじ10億円が2本。
最後には全員立ち上がり、巫女が左右に歩きながら鳴らす鈴にうやうやしく頭を垂れるのでした。
儀式が終わったあと息子が「あの鈴にはどんな意味があるのかねえ」といぶかっていましたので、「この書き入れ時にお神明さんの神様が寝ていると困るから、鈴を鳴らして起こさないといかんのだろう」などと適当に答えたのでした。
たまたま、京都の宿「俵や」を紹介するテレビ番組がありまして、宿の客室の床の間に少し大きめの古びた鈴が三個、紫の糸で結ばれちょこんと置いてありました。宿の客である外人さんが、この鈴の意味を女中さんに尋ねたところ、「昔から日本では、鈴の音は邪悪なものを遠ざけるとされています。鈴で結界を張り、この部屋の邪気を払うことでさりげなくおもてなしをさせていただいております。」と答えていました。
なるほど、そういえば神社の賽銭箱の上の大きな鈴をじゃらじゃらと鳴らしてお金を賽銭箱に投げ、手をぱんぱんとたたき願い事を。お参りに来た人は、無意識に自分で鈴を鳴らし結界を張り、自分の財布からチップを出す作業をしていたのでした。神社もよく考えています。全自動です。
床の間に何気なく置かれている鈴の意味するところを知って初めて、宿の主人のもてなし方の奥ゆかしさが理解できます。このような素養があってこの宿に泊まると深い感動があるかもしれません。知らないと「猫に小判」・「ぶぶ漬け」でしょうか。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。